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【行為者に責任能力がない場合の刑罰】

2015年7月3日

人が刑罰法規にあたる行為をした場合,その行為が違法であり,かつ,行為者に責任がなければ,その犯罪行為に対し,刑罰を科すことができません。刑事責任能力は,行為者に犯罪行為に対する責任を認めるための前提となる要件です。
刑事責任能力とは,具体的には,行為者が事理(事物)の是非・善悪を弁別(弁識)し(①事理弁識能力),かつ,それに従って自己の行動を抑制できる能力(②行動制御能力)を意味します 。刑法39条1項は「心神喪失者の行為は,罰しない。」と規定していますが,「心神喪失」とは,責任能力を全く欠く状態をいい,このような状態での犯罪行為については行為者に刑事責任を問うことができないことを規定したものです。これに対し,刑法39条2項は「心神耗弱者の行為は,その刑を軽減する。」と規定しています。「心神耗弱」とは先の弁識能力ないしは制御能力が全く欠けるには至っていないものの,上記の能力が著しく低い状態をいい,このような状態での行為については,刑罰が軽減されます。
心神喪失・心神耗弱は,精神医学上の概念ではなく,法律上の概念であるため,その判断は最終的には裁判所が判断すべき事項とされています。裁判所は,行為者の犯行当時の病状,犯行前の生活状態,犯行の動機・態様等を踏まえ,生物学的・心理学的事実の確定をした上で,精神の障害が行為の責任能力にいかに影響を及ぼしたかを基礎として,心神喪失・心神耗弱の判断をします。生物学的・心理学的事実の認定のため,精神医学・心理学等の専門家による精神鑑定が行われることも多々あります。裁判所は,この精神鑑定の結果を踏まえた上,最終的に心神喪失・心神耗弱を判断することとなります。
起訴前の捜査段階において,行為者に責任能力が全くなかったことが明らかと認められる場合には,検察官の判断で,「心神喪失」を理由として不起訴処分とされることもあります。



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