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【すぐに偽物とわかる偽札では通貨偽造罪とならないが,その悪用で犯罪が成立する場合】

2014年6月27日

 通貨偽造行為を処罰することによって守られるべき法益は,通貨に対する一般人の信用とされています。日常生活で使われる貨幣や紙幣が本物かどうか,毎回,怪しまなければいけないような事態となれば,経済活動は成り立たなくなって,世の中は大混乱となりますよね。そのような事態が起きないように,刑法は,通貨偽造行為を厳しく処罰しているのです。
 とすれば,誰が見ても,ニセモノだとすぐに判る偽札を作ったところで,そのような混乱が生じるおそれもないので,すぐにニセモノと判る偽札を作ることまでを「偽造」として,処罰する必要はないということです。
 一昔前,韓国のウォン硬貨が日本の500円硬貨とほぼ同じ大きさであり,少しだけ重量が重たいことに目を付けて,ウォン硬貨に穴をあけて重量を調整して,500円硬貨として自動販売機に投入して返金レバーを操作して,本物の500円硬貨を入手する手口の犯行がはやったことがありました。この手口で使用されたのは,穴のあいたウォン硬貨であり,これを見ても誰も本物の500円硬貨とは信用しないので,この場合,成立する犯罪は窃盗罪です。
 偽造通貨を本物の通貨として使用して商品を手に入れた場合,相手方は偽造通貨を本物と信用したからこそ,商品を渡したのであり,その行為は詐欺にも当たります。しかし,偽造通貨行使罪の法定刑は重く,詐欺行為の要素が当然含まれ評価済として,詐欺罪を成立させず,偽造通貨行使罪のみが成立するとされています。
 通常であれば,ニセモノとすぐにばれるレベルの偽札を使って,たまたま相手がうっかりしていたため,商品を騙し取ることに成功した場合には,通貨偽造罪は不成立でも詐欺罪は成立することとなります。



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